武藤 純彦さん

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 プロフィール

 武藤 純彦(むとう よしひこ)さん

 埼玉県出身、平成26年春に奥様の実家がある大館に移住。

 移住前は建築設計の仕事をされていて、建築家の谷口吉生さんの下でアシスタントとして働かれていました。(谷口さんは秋田市立中央図書館・明徳館の設計をされたかたです)

 移住されてからの最初の5年間は観音堂にある㈱秋田ホームで仕事をされていましたが平成31年に退職し、北国生活研究所を設立。東北の酒と玩具MUTOをオープンし、令和2年に早口駅前にある築75年の物件を改修し、新拠点を作りました。

インタビュー

―今回はインタビューの依頼を受けていただきありがとうございます!

 まず武藤さんへのインタビューの経緯なのですが、自分が妻と出かけているときに、なにやら早口駅前に見慣れないオシャレ空間ができているぞ、となりまして…

 そこで接客していただいて、お話を伺っているうちに県外からの移住者のかただと分かったんですね。これは協力隊として宣伝せねば!と今回のインタビュー依頼をさせていただきました。改めてよろしくお願いします!

 

―よろしくお願いします(笑)

 

―まずは移住の経緯をお聞きしてもよろしいですか?

 

―はい、私の妻の実家が田代にあるのですが、妻の祖母が高齢で心配だったため、定期的に大館に来てはいたんです。しかし途中から月に一度くらいのペースで大館に来るようになって…そこから移住を意識し始めましたね。

 以降は東京にある移住相談センターに通い、大館での就職先を探したり、いろいろと情報収集をしました。

 

―なるほど、実際に大館・雪国での生活はどうですか?

 

―やっぱり冬の生活に慣れるのは大変でした(笑)

 特に雪道の運転には苦労しましたね。

 ただずっと都市部にいたので、ビル群が林立するところから自然豊かなところへ移り、精神的に余裕が生まれました。

 仕事も東京にいたときは出退勤で往復4時間、朝から終電まで働いていましたが、大館で務めてからは10数分ほどの出勤時間と定時の退勤で、私生活では時間にかなり余裕ができました。今では空いた時間に読書や勉強などをしています。

 

―経歴からだけでも仕事の大変さがヒシヒシ伝わってきます。移住当初は秋田ホームさんで働いていて、現在は「北国生活研究所」として独立されているのですが、独立の経緯を伺ってもよろしいでしょうか?

 

―人が来る場所を作りたいという気持ちで、まずは酒と食品と趣味で集めていた玩具を売る場所を作ろうとなったんです。ただ、前職では副業はできなかったので、そこから独立という道を考え始めました。

 退職した後は、わっぱビルヂング内マルーワのシェアオフィスを拠点として「北国生活研究所」を設立したんです。それと同時期くらいに、田代にある自宅を改修して「東北の酒と玩具MUTO]をオープンしました。

 扱っている酒は県南羽後町にあるビールや、岩手県にあるぶどうとりんごの果樹農家さんが協力して作ったワイン、能代市のナッツ、大仙市の調味料など、自分が直接出会い交流したかたたちから仕入れて販売しています。

 もちろん、設計も業務の一環として続けていますよ。

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 商品を紹介してくれる武藤さん

 

―設計、お酒等の販売のほかに東北の玩具も売っているんですね!

 

―そうですね、自分たちは東北のあちこちを巡るのが好きなので、良い酒や玩具を作っているかたたちに出会うのですが、そういった昔ながらの伝統的なモノを作っているかたたちと接しているうちに「残していきたい!」と考え始めたのが、玩具を扱わせていただくきっかけでした。

 玩具といっても土や紙など、材料によっていろいろと種類・歴史・物語があり、できあがった玩具・人形も職人さんの個性が色濃く出ています。代々家で作られているかたもいて、中には17代目になるかたもいます。遠くから来るお客さんだと関西から来てくれるかたもいるんですよ。

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 売られている玩具の一部

 

―もう一つお聞きしたいのですが、設計のお仕事としては現在、どのような活動をされているのですか?

―関東圏の設計や改修もしているのですが、酒・食品・玩具がその地域の「暮らし」を背景にして育っているのと同じで、昔ながらの建築も「生活・暮らし」の場として長く在り続けてきました。

 その価値をあらためて見直し、今の時代に息づく建築へと「回復」させたいと思い「北国ハウス」というプロジェクトを立ち上げました。詳細はまだ明かせませんが、令和3年中には具体的にお見せできると思います。

 「北国生活研究所」という名前も「北国それぞれの『生活』の背景にあるさまざまな想いを拾い集め探り、北国の風景を造る」という意味を込めて作りました。

 

―秋田のみならず、東北の文化を様々な角度で発信・伝えていこうとする武藤さんの姿勢に、自分も改めて北国の魅力を再発見させていただきました!

 では最後に、これから移住されるかたたちになにか一言お願いします!

 

―大館市は関東圏に比べて自然が多く、時間に余裕を持てるのが魅力の一つですが、ほかにも居抜き物件等、家賃が安いので、企業を目指しているかたにはチャレンジしやすい土台があると思います。

 自分のスキルを活かして仕事をしたいと思っているかたにはぜひ、頑張っていただきたいと思います!

 

―チャレンジしやすい土台!確かに大館にはコワーキングスペースなどもあるので、まずはそういったところから訪ねてみるのもいいかもしれませんね!

 今日は忙しい中、インタビューを受けてくださりありがとうございました!うちで飲み会がある際はぜひ、ここでお酒を買わせていただきます!

 

―(笑)

 ありがとうございました!

 動画はこちらから

 北国生活研究所(外部サイト)

 東北の酒と玩具MUTO(外部サイト)