松原 明生さん

 

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 プロフィール

 松原 明生(まつばら あきお)さん

 東京都出身、調布市育ち。東京の設計事務所でお仕事をされた後に独立。その後、海外の国際協力プロジェクトの都市計画に申し込みチュニジアで活動。チュニジアで現在の奥さんと出会い結婚。

 日本に帰国後は、2010年に大館市の地域おこし協力隊1号として活動され、任期を終えた後は奥さんと娘さんとの三人家族で大館に定住し、現在は「古民家再生民泊HACHI」を運営しています。

 大館市で最初の協力隊である松原さんにお話を伺いました! [302KB]民泊HACHI

インタビュー

 ―今回はインタビューの依頼を受けていただきありがとうございます!実は松原さんは大館市で最初の協力隊で、唯一県外から来た協力隊で定住した人でもあります。(他の協力隊定住者はUターンで戻ってきた人)

 今回は唯一の肩書を持つ初代協力隊松原さんに根掘り葉掘り聞こうと思います!よろしくお願いします!

 ―よろしくお願いします(笑)

 ―では松原さんの経歴から伺えればと思います!

 

 ―はい、私は最初、東京の設計事務所で内井昭蔵さん(※)というかたのところで働いていたのですが、その後独立して1993年に自分の設計事務所を持ちました。2007年は世間に閉塞感のようなものも感じていたので、海外でなにか仕事ができないかと思いました。調べたところ国際協力で建設分野があったので応募し、チュニジアで仕事ができることになったんです。

 その時に現在の妻と出会い結婚、2010年に日本に戻り、色々と調べていたところ大館市の協力隊募集を見つけ応募して移住しました。子宝にも恵まれ、現在は妻と娘と三人で生活しています。

 現在はアパート経営をしつつ、民泊も運営しながら生活していますね。

※内井昭蔵建築設計事務所…世田谷美術館や吹上新御所の設計で知られる。松原さんは個人住宅、集合住宅、公共施設の設計・監督を担当。

 ―国内海外と幅広いフィールドで活動されていたんですね!しかしなぜまた大館市の協力隊に応募されたのでしょうか?

 ―そうですね、チュニジアで仕事をした後、日本に戻ってきた時に思ったのですが、発展途上国だからといってみんな大変そうかといえば実はそうでもなく、幸福度は意外と高いんですね。逆に日本の地方などでは少子高齢化など、色々な問題が出ていて、日本のほうがヤバいんじゃないかと思いました。そういった場所ならば逆に何かでチャレンジきるんじゃないかと思い、縁あって大館市の協力隊に応募して活動することとなったんです。

 

 ―なるほど、当時の協力隊活動はどのようなことをされていたのですか?

 ―はい、自分が配属されたところは大葛地区だったのですが、まずは地区内の人たちにプロフィールシートを作って配り、関係性を作るところから始めました。その中で「大葛の将来を考える会」という地域の集まりにも参加しつつ、自分が何ができるかを考えながら活動していましたね。

 また大館をよく知ろうと思い、曲げわっぱやきりたんぽ作りなどの体験プログラムにも積極的に参加しました。また、大潟村で県の就農講座などにも参加して、自分の知見を広げつつ地域へ還元していけるように、常に考えて活動していました。

 他にいろいろと企画して活動していたのですが、その一部でかまくらを作ってその過程をネット中継したり、大葛保育所を活用した農家レストランと直売所を提案したり、どぶろく製造を地域でやろうとしたりもしました。ボツ企画も多かったのですが…(笑)

 ―現在の協力隊と違い、一つの地域に深く根差した活動がメインだったんですね。今では雇用の形が変わり、役所での活動がほぼメインとなっているので、聞いていてとても新鮮です。

 では任期終了後はどのような形で定住したのでしょうか?

 ―2013年退任したのですが、協力隊前はずっと建築の仕事をしていたので、市内の工務店で働きました。東北だと東京と違い寒冷地仕様の建物がメインとなるので、その勉強も兼ねての就職でした。

 その時期に娘が生まれ、妻と話し合って片親は娘のそばにいたほうがいいとなり、工務店を辞めて自分が家にいることになったんです。

 その時に自営業という形態をとるようになって、本を作ってキンドルで販売したり、民泊や不動産の勉強をしつつ生活していました。

 最近は不動産も安定してきて、民泊も形になってきて一安心したところです。ただ民泊はコロナの影響を大きく受けているので、コロナ終息後にはもっと世界の人たちをもてなせるようにしたいですね。

 また、現在の協力隊で空き家を活用した業務に熱心なかたたちもいるので、彼らと協力して空き家問題にも取り組んでいければと思います。

 ―なるほど、お話を伺っていると個性的なライフスタイルを築いているように感じるのですが、自分としては「こういった生活の仕方もあるのか!」と非常に勉強になりました。これから移住してくる人たちにも励ましになるようなライフスタイルだと思います!

 では最後にこれから移住を考えている人たちにひとことお願いします!

 ―大館市は四季がはっきりしていて、風情を感じながら生活できるところがいいですね。

 また、都市部では持ち家を購入となるとかなりの費用がかかりますが、大館では空き家購入などをすることで、格安でマイホームを手に入れることができます。

 工夫次第で豊かな生活を送れるところですね。

 ―ありがとうございます!東京、チュニジアときて大館市で協力隊一号として活躍してくださった松原さんにお話を伺いました!重ねてありがとうございました!

 ―ありがとうございます!

動画はこちらから(外部リンク)

古民家再生民泊HACHI(外部サイト)