平成21年12月定例会行政報告(平成21年11月30日)

12月定例会に当たり、提出議案の説明に先立ちまして、9月定例会以後の主な事項について、概要を御報告申し上げます。

  1. 新型インフルエンザについて
  2. 市有林の無断伐採について
  3. 敬老事業について
  4. 平成21年の農業について
  5. 第1回学校緑化事業の実施について
  6. 大館市バイオマスタウン構想の進捗状況について
  7. 雇用情勢について
  8. 「ハチ公」効果による観光振興について
  9. 秋まつり行事等について
  10. 秋田県北部男女共同参画センターの移転について
  11. 「NOSHO館HACHI」及び「御成町二丁目コミュニティサロン」のオープンについて
  12. 扇田地区米代川河川緑地のプレオープンについて
  13. (仮称)秋田三鶏記念館の建設進捗状況と運営方針について
  14. 全国高等学校総合体育大会に向けて
  15. 弘前大学専門医養成病院ネットワークに関する協定の締結について
  16. 公共事業の進捗状況について

1 新型インフルエンザについて

新型インフルエンザは、全国的に感染が拡大しており、本市におきましても、11月の第3週で1医療機関当たりの患者報告件数が42.71と警戒レベルの30を上回っており、感染者の8割ほどは19歳以下の未成年者が占めている状況であります。

9月下旬以降、市内の小・中学校や保育施設で次々と感染が確認されたことから、マニュアルに沿った学級閉鎖等の対応や、緊急の講演会の開催による父兄、教師等への啓発活動などを実施してまいりました。

感染の拡大に伴い、休日は1日100人ほどの患者が休日夜間急患センターに訪れることから、11月22、23及び29日の3日間は、地元医師会の御協力を得て、休日夜間急患センターを発熱外来センターとし、医師2人体制で診療を行い、急増する患者に対応したところであります。

一方、新型インフルエンザのワクチン接種は、本市においても10月下旬から国が示した優先順位により開始されておりますが、重症化するケースが多い1歳から小学3年生までの小児に対しては、前倒しで、12月7日から実施されることとなっております。

冬を迎え季節性インフルエンザによる感染者も増えるものと予想されることから、今後とも、感染の拡大と重症化の防止に向け、危機管理体制を強化してまいります。

2 市有林の無断伐採について

去る10月21日、十二所字上太沢地内の市有林が北秋田市の林業業者により無断伐採されていることが、十二所地区の市民からの通報で判明いたしました。

この市有林は、保安林に指定されていることから、県に報告するとともに、直ちに被害状況を調査したところ、約1.5ヘクタールにわたりナラやサクラなど1,161本が伐採されていたため、これを調書としてまとめ、同月28日に大館警察署に提出して対応等を協議しているところであります。

市民の貴重な財産を侵害されたことは極めて遺憾であり、市としましては、今後、現地の原状回復はもとより、損害賠償等につきましても、議会に御相談申し上げながら請求してまいりますので、よろしく御理解をお願い申し上げます。

3 敬老事業について

市では、高齢者の長寿と健康をお祝いするため、8月29日から約1か月間にわたり16会場で敬老会を開催し、対象者9,786人のうち3,109人の参加がありました。

今年は、比内地域と田代地域の対象年齢を77歳に引き上げ全市で統一したほか、案内通知の内容を一部改善いたしました。開催に当たり御協力いただきました婦人会や町内会などの皆様には、心から感謝申し上げます。

また、11月19日には合同金婚式を開催し、28組の御夫婦をお祝いしたところでありますが、参加者が年々減少しておりますことから、今後は、合同金婚式のあり方について、県内の開催状況等を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。

4 平成21年の農業について

7月の長雨、強風、豪雨や8月下旬から9月中旬にかけての低温等により、水稲の登熟が遅れるなど、農作物の生育不順が見られました。

水稲は、東北農政局が10月30日に公表した「平成21年産の作付面積及び予想収穫量」によると、作況指数が全県で99、県北では98の「やや不良」となりました。また、全国では98となり、過剰米を区分出荷する基準の100を超えないことから「集荷円滑化対策」は発動されないこととなりました。なお、JAあきた北管内の1等米比率は10月31日現在で93パーセントとなっております。

一方、「飼料用米等新規需要米」の作付けは、認定農業者25人、集落営農3組織で面積が33.45ヘクタールとなりました。

次に野菜でありますが、山の芋は、10月中旬から収穫作業が始まり、10月29日から出荷が開始されました。品質は平年並みですが、小玉傾向のため収穫量は減少しております。市場価格については、平年並みで推移しておりますが、販売額の減少が見込まれることから、販売促進活動を強化しております。

アスパラガスは、長雨の影響で病害虫が発生し、品質、収量とも昨年を下回りましたが、価格が高値で推移したことから、販売額は昨年を若干上回る結果となりました。

果樹は、降ひょうや台風の影響もなく、リンゴ、ナシとも品質、収量は平年並みで、順調に収穫作業が行われました。

5 第1回学校緑化事業の実施について

昨年まで実施しておりました大館市植樹祭に代えて、今年は、「学校に緑を増やす植樹活動」を展開することとし、第1回目の学校緑化事業を成章小学校と大館市国土緑化推進委員会が共同で実施しました。

当日は、成章小学校の5、6年生の児童を初め、64人の参加をいただき、グラウンド周辺や国道沿いの学校花壇にモミジやツツジなど31本を植樹しました。

植樹祭から引き続き苗木を寄贈していただきましたエコシステム秋田株式会社を初め、大館北秋田森林組合や地元の皆さまの御協力に対し、厚く御礼申し上げます。

6 大館市バイオマスタウン構想の進捗状況について

7月31日に国の認定を受けた本構想に基づき、本年度は、バイオマス利活用策として、「市有林間伐事業で発生する間伐材からの木質バイオマスの燃料化」と、「ペレットストーブの導入」を推進してきたところであり、公共施設に90台のペレットストーブを導入し、来年度におけるペレットボイラーの導入についても検討を進めております。

また、11月17日には、「庁内バイオマス利活用推進委員会」を設置し、市役所内部における施策の調整や調査・研究を行っており、来年度は、産・学・官の連携による「大館市バイオマス利活用推進会議」を立ち上げたいと考えております。

地球温暖化問題が深刻化し、温室効果ガスの排出削減が急務となっている今、従来の化石燃料に替えて、地域資源であるバイオマスを有効活用することで、地域循環型社会の構築を目指してまいります。

7 雇用情勢について

来年3月に市内の高等学校を卒業予定の生徒のうち、10月末現在、就職希望者は208人で、そのうち県外希望者が113人、県内希望者が95人となっております。

内定率は、県外83.1パーセント、県内68.4パーセント、平均76.4パーセントで、全県平均を14.3ポイント上回り、県内ではトップクラスであります。今後とも関係機関と連携し、希望者全員の就職を目指してまいります。

次に、大館市工場等設置促進条例に基づく指定工場につきましては、10月1日現在、指定工場数は62、従業員数は4,265人であり、昨年同期と比べ29人減少しており、厳しい経済情勢が本地域にも影響を与えております。

こうした状況下ではありますが、遠藤林業株式会社が29人体制で大館工場を本格稼動させ、10月26日付けで条例指定工場となっております。また、ニプロファーマ株式会社では、10月1日から製剤工場2棟を稼動しており、ニプロ株式会社でも増築した滅菌棟を来年初めから稼動させる予定と伺っております。

一方、市では、4月から現在までに、「緊急雇用創出臨時対策基金事業」により65人、「ふるさと雇用再生臨時対策基金事業」により23人の雇用を生んでおり、今後も引き続き、経済・雇用対策に全力を挙げて取り組んでまいります。

8 「ハチ公」効果による観光振興について

今年を振り返って、最も記憶に残っておりますのは、ハチ公効果で動き出した大館の「観光」であります。リチャード・ギア氏の来日歓迎セレモニーは、その後実施された「犬文字」とともに、ハチ公のふるさと「大館」を日本全国にPRする絶好の機会となりました。

また、映画の公開日に合わせ、8月8日にオープンした「大館市観光物産プラザ」は、観光物産情報の発信、パネル展示、産業観光のプレゼンテーション会場など、様々な利活用が図られ、ハチ公関連商品など新たな物産品の開発にも結びついており、来場者数は今月2日で早くも1万人に達しております。

このように、今年はハチ公効果を追い風に「観光元年」ともいうべき年となり、この流れを一過性にすることのないよう、現在策定中の「大館市観光基本計画」の中に施策としてしっかりと位置づけてまいりたいと考えております。

一方、本年7月に官民一体で立ち上げた「大館地域観光振興協議会」では、来年12月の東北新幹線全線開業を見据え、具体的な観光コースの策定や、市民の観光意識を啓発するための講演会などを実施しながら、受け入れ態勢の整備を進めているところであります。

9 秋まつり行事等について

①本場大館きりたんぽまつり

10月11日、12日に開催した第37回「きりたんぽまつり」は、台風により急きょ順延したにもかかわらず、1万7,000人の来場者があり、きりたんぽの本場を十分にアピールすることができました。

②五色湖まつり

10月11日に開催した五色湖まつりは、18回を数え、恒例の大鰐町との交流行事などのほか、ダムの地下トンネルの見学会も実施され、紅葉の山瀬ダム多目的広場に2,300人が訪れました。

③大館圏域産業祭

10月24、25日の両日、大館樹海ドームを会場に県内最大規模の産業祭が開催されました。各高等学校や職業能力開発短期大学校の参画も得て、多彩な催しが繰り広げられ、5万2,000人の来場者で賑わいました。

④きりたんぽまつりin渋谷

10月31日、11月1日の両日、渋谷区代々木公園で開催した「きりたんぽまつりin渋谷」は、「きりたんぽ」や「みそ付けたんぽ」が昼すぎには完売となる盛況で、会場内の多くの物産展の中でも圧倒的な人気を誇りました。

⑤首都圏大館合同ふるさと会懇親会

11月21日、大館、比内、田代の3つの「ふるさと会」が、合併5周年を記念して、初めて合同で懇親会を開催し、来賓を含め約300人が交流いたしました。

3つのふるさと会の皆様には、今後も相互に交流を深めていただくとともに、引き続き本市の発展に御支援、御協力を賜りたいと考えております。

10 秋田県北部男女共同参画センターの移転について

大町地区優良建築物等整備事業の施行に伴い、移転が必要となっておりました「秋田県北部男女共同参画センター」につきましては、県の御理解のもと、旧正札竹村新館棟1階への移転が決定し、9月中に建物の改修と引越し作業を終え、10月1日から業務を開始しております。

移転後は、面積が以前の1.6倍ほどと広くなり、各室につきましても利用しやすい配置となっております。

今後も、年間2万人を超える利用者のさらなる利便性の確保を図り、この施設が官民一体となって推進する中心市街地の活性化に大きく寄与することを期待しております。

11 「NOSHO館HACHI」及び「御成町二丁目コミュニティサロン」のオープンについて

去る10月17日、大町ハチ公プラザ1階に、農商の連携による農作物の販売や市民の憩いの場としての利用などを目的とする「NOSHO館HACHI」がオープンしました。また、11月2日には、御成町二丁目オダナギビル1階に、商店街の情報発信やまちづくり活動などの拠点となる「二丁目コミュニティサロン」がオープンしました。

これらの施設は、「ふるさと雇用再生臨時対策基金事業」の活用により、地元商店街振興組合が事業主体となり設置したものであります。

両施設とも、平成24年3月までの継続を予定しており、市民の皆様が大いに利用され、中心市街地のにぎわいが創出されることを期待しております。

12 扇田地区米代川河川緑地のプレオープンについて

「扇田地区米代川河川緑地」につきましては、基盤施設である園路や広場、駐車場等が完成したことから、去る11月8日にプレオープンしました。

この河川緑地は、平成18年2月から扇田地区の皆様とワークショップを重ね、19年度から国土交通省と本市が整備を進めてきたものであり、「住民の健康増進」や「地域の賑わい創出」のほか、米代川の防災対策の強化を目的としております。

今後は、国土交通省が行う残工事のほか、本市が担当するトイレ、ベンチ等の整備を本年度中に行い、完了後は、地元の皆様で構成する「比内米代川公園管理組合」と、国、市が協働で維持管理する計画としております。

13 (仮称)秋田三鶏記念館の建設進捗状況と運営方針について

(仮称)秋田三鶏記念館の建設事業は、本年7月に建設工事に着手し、進捗率は80パーセントで、来年1月末の竣工に向け順調に進んでおります。

建設に当たりましては、市民を初め、関係団体の方々から475万円の寄附をいただき、深く感謝申し上げます。

現在、秋田三鶏のふ化・育雛は危機的な状況にあることから、記念館の完成後は、まず「種の保存・継承」を第一とし、ふ化・育雛事業は専門的な知識を有する三鶏保存会にお願いして、これまで培った経験を存分に発揮していただくとともに、後継者の育成にも取り組んでいただきたいと考えております。

また、文化財保護と併せ、観光振興としての位置づけも踏まえ、運営審議会を立ち上げて、秋田三鶏の飼育や展示も行ってまいりたいと考えております。

なお、本定例会に関連条例案を提出しておりますので、よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。

14 全国高等学校総合体育大会に向けて

高校生のスポーツの祭典である全国高等学校総合体育大会が、平成23年度に秋田県・青森県・岩手県の3県合同で開催されます。

本市では、高館テニスコートにおいて女子ソフトテニス競技が開催される予定であり、参加規模は、団体48チーム、個人320組、人数にして選手780名、監督・コーチ270名、合計1,050名の見込みであります。

秋田県では、7月16日に実行委員会を設立して本格的な準備を行っており、本市においても今月19日に市実行委員会を設立したところであります。

今後は、専門委員会や市実施本部等を組織し、関係機関と連携しながら、大会の成功に向け、準備を進めてまいりますので、議員を初め、市民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。

15 弘前大学専門医養成病院ネットワークに関する協定の締結について

去る11月17日、弘前大学大学院医学研究科と弘前大学医学部附属病院、市立総合病院の三者間で「弘前大学専門医養成病院ネットワークに関する協定」を締結いたしました。

このネットワークは、医師免許を取得して3年目以降の医師を対象に、専門医として認定を受けるための専門研修を弘前大学が自治体病院などと連携して行うものであり、地域循環型の医師養成体制を整備するものであります。

弘前大学との間では、これまでも医師の派遣や医学部学生の実習、臨床研修医の受入れなど、様々な分野で連携、協力をしながら、地域医療の発展と人材育成に努めてまいりましたが、この協定の締結により、築いてきた連携がさらに強化されるものと思っております。

また、地域循環型の医師養成体制の整備は、若手や中堅医師の育成にもつながることから、総合病院全体の医療の質的向上が図られるとともに、研修医にとって魅力ある病院となることが期待され、将来的には、医師不足の解消にも寄与するものと考えております。

16 公共事業の進捗状況について

生活対策・経済危機対策臨時交付金事業を含む、主な事業の進捗状況を申し上げます。

道路関連では、「地域活力基盤創造交付金事業」については、用地測量と補償調査がほぼ完了し、「二井田片貝沼田線」の橋梁下部工、「赤坂下比立内線」の道路改良などの工事を行っており、進捗率は40パーセントとなっております。

「通常補助事業」で施行している舗装補修工事は、「岩本線」ほか22路線を25工区で発注済みで、進捗率は50パーセントとなっており、「扇田地区まちづくり事業」では、市道改良工事や公園改修工事等が順調に進み、進捗率は繰越分も含め95パーセントとなっております。

また、「桂城公園改修事業」では、サークルベンチや桂城橋の改修工事等を施行しており、「小柄沢墓園拡張工事」は11月に発注済みで、いずれも年度内に完了予定であります。

教育関連では、学校耐震対策事業として、6月に「比内中学校耐震補強工事」を発注し、進捗率は80パーセントで、来年1月の完了予定であります。また、「文化会館大ホールの舞台設備改修工事」については、11月に発注済で、来年3月には完了する予定であります。

体育施設整備事業では、「長根山陸上競技場第2種公認更新工事」を9月に発注し、進捗率は80パーセントとなっております。

農業集落排水事業では、独鈷中野地区で路面復旧工事、管路布設工事などを施行中であり、本年度事業の進捗率は60パーセントとなっております。

水道事業では、「森合老朽管更新工事」が98パーセント、「柄沢字狐台地内の配水管布設替工事」が95パーセントの進捗率となっており、「葛原地内配水管布設工事」については、今月完成しております。

また、下水道事業では、「田代地域の赤川」、「比内地域の下味噌内」、「大館地域の清水一丁目、中道一丁目ほか」で本管埋設工事を施行中で、進捗率は平均で55パーセントとなっております。

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