9月定例会に当たり、提出議案の説明に先立ちまして、6月定例会以後の主な事項について、概要を御報告申し上げます。
14.夏のイベントについて
16.秋田県北部地域の基盤整備を促進する夏期要望活動について
1 長野県青木村との防災協定の締結について
渋谷区の長谷部区長、東急株式会社の野本会長の立会いのもと、7月31日に長野県青木村と「災害時における相互応援に関する協定」を締結いたしました。
渋谷を拠点とする東急グループとは、青ガエルの移設などを通じ、関係性を深めてまいりました。東急グループの創始者・五島慶太氏が青木村の出身であった御縁から青木村との交流を進める中で、より強い関係を築いていきたいと双方の考えが一致したところです。
市では、同時に被災する可能性が低い遠隔地の自治体との防災協定の締結を進めていることから、まずは防災協定の締結に至ったものであります。今回の締結により、遠隔地の自治体との防災協定は7例目となりました。
2 福祉医療制度の拡大について
高校生までの子どもに係る医療費助成について、8月1日から所得制限を撤廃し、全ての子どもを助成の対象としました。県の制度改正に合わせたもので、0歳児と市民税所得割の非課税世帯の子どもは全額、それ以外の子どもは半額の助成で、1か月の自己負担額の上限を一医療機関1,000円としております。
また、同じく8月1日から、精神障害者を助成の対象に加えました。精神保健福祉手帳1級を所持している自立支援医療支給認定者の方は、原則全額助成となります。
いずれも、対象となる方には6月中旬に案内通知を送付しております。まだ申請書を提出されていない方は、早めの手続きをお願いいたします。
3 令和5年度の市税等の収納状況と未収債権対策について
現年度分の収納率は、市税が99.59パーセント、国民健康保険税が97.64パーセントで、市税については平成23年度から、県内13市中トップの収納率を維持しております。
また、滞納繰越分を合わせた未収残高は市税、国保税ともに減少し、総額で前年度比5,586万円減の2億6,072万円となっております。
一方、企業会計を含めた税外収入金は、現年度分の収納率が前年度から0.26ポイント増の98.28パーセント、滞納繰越分を含めた未収残高は、前年度比2,019万円減の2億2,378万円となっております。
市税等の未収債権対策としては、夕暮れ納付相談窓口を開設し、相談体制の充実を図りながら、悪質な滞納者に対しては不動産、給与、預貯金などの差し押さえを実施しており、公平性の確保と滞納の抑制に努めてまいります。
4 大館市エコフェアについて
7月13日、14日の両日、ニプロハチ公ドームを会場に、資源の有効活用に向けた意識の醸成と環境リサイクル事業の周知を目的に開催いたしました。
市内外の環境団体やリサイクル関連の8企業がブースを設け、それぞれの活動や製品を紹介したほか、県の協力により、海洋ごみの問題から地域の自然環境について考えるパネル展示などを行い、約1万人に御来場いただきました。
今後も、二酸化炭素の排出と天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り減らす循環型社会の実現のため、様々な機会を通じて普及啓発に努めてまいります。
5 物価高騰対応生活支援給付金等について
物価高騰の影響を受けやすい低所得世帯に対し、7月29日から給付金の支給を開始しております。
8月末時点においては、今年度新たに低所得世帯となった913世帯に対し10万円を支給しており、児童に対する加算として1人につき5万円、113人分を支給しました。
また、納税義務者を対象とした定額減税に伴う調整給付金については、8月末時点で7,235人に2億9,808万円を支給しています。
いずれも10月末を申請期限としていますので、全ての対象者に給付できるよう、周知に努めてまいります。
6 農作物の生育状況について
基幹作物の水稲については、平年より4日早い7月29日に出穂盛期を迎え、穂揃いは良好に推移しておりますが、6月下旬に、いもち病の発生が確認されたほか、カメムシ類の発生が例年と比べ多いことから、警戒と防除の徹底を引き続き呼びかけてまいります。
市重点戦略作物のうちネギや枝豆、キュウリ、スイカについては、7月中旬から下旬にかけての長雨等の影響により、品質や収量の低下が懸念されますが、とんぶりについては、比較的順調に生育しており、平年以上の収量を見込んでおります。7月上旬に収穫を終えたニンニクについては、平年並みの収量となりました。
昨年は降霜で被害を受けた果樹については、リンゴで結実不良やサビ果が見られたものの、果実の肥大は順調に進んでおり、ナシについては平年に比べ大幅な増収が見込まれております。
これから本格的な収穫期を迎えるに当たり、台風の接近数が平年より多くなると予想されておりますので、引き続き気象状況を注視しながら、JA等の関係機関と連携して農作物の管理の徹底を呼びかけてまいります。
7 有害鳥獣による被害状況と対応について
クマについては、8月末現在、出没報告が110件、捕獲は52頭と平年をやや上回る状況となっております。農作物等の被害は2件と平年に比べ極めて少なくなっていることから、鳥獣被害対策実施隊の活動により被害の未然防止が図られているものと捉えております。
しかしながら、出没件数が過去最多を記録した昨年も夏までは平年並みで、秋以降急激に増加したことを踏まえ、対策を強化しております。誘引樹木の伐採を支援する補助制度を創設し、7月1日から受付を開始したところ、8月末現在、34件の申請をいただいております。
また、7月18日には、本市では初となる市街地での出没対応訓練を、たしろ保育園周辺において実施しました。県や大館警察署、市鳥獣被害対策実施隊などが参加し、追い払いや捕獲、住民の安全確保など、互いの役割や手順について改めて確認しました。
イノシシについては、8月末現在、出没報告が25件、農作物等の被害が21件と昨年の約1.5倍となっておりますが、専用のくくり罠を増設して対策を強化した結果、捕獲数は19頭と既に昨年の年間実績の約5倍となっております。
今後、農作物が収穫盛期を迎え、野生動物の行動がより活発になることから、出没情報を迅速に発信するなど一層の注意喚起を行い、被害の未然防止に努めてまいります。
8 児童生徒のクマ被害防止対策について
市街地や通学路にクマが頻繁に出没、目撃されるようになり、人身被害の危険性が高まっていることから、子どもたちを被害から守るため、学校などの敷地内への侵入を防ぐ「忌避剤」と、侵入した際に使用する「撃退スプレー」の配布、「クマよけ鈴」の無償貸与を行いました。
7月中に、市内小中学校及び保育園等の就学前施設への忌避剤と撃退スプレーの備え付け、児童生徒へのクマよけ鈴3,870個の配布を完了しており、安全対策の強化を図っております。
9 企業の設備投資と雇用対策の状況について
DOWAグループで使用済み家電製品のリサイクル事業を展開する株式会社エコリサイクルが、花岡の同社敷地内に建設していた第3工場を7月29日に竣工しました。新工場では冷蔵庫のリサイクルに特化した受入れを行うことで、高まるリサイクル需要に対応可能となります。投資額は10億円で、10月の操業開始を予定しており、10人の新規雇用が見込まれております。
来春高校卒業予定者の就職希望状況につきましては、6月末現在、就職希望者128人のうち県内希望者が98人で、県内希望率76.6パーセントと、これまでで最も高い水準となっております。対する求人状況は、88事業所で511人と、企業の積極的な採用姿勢が見え、7月25日にはハローワークとともに求人求職情報交換会を開催し、高校生68人と49事業者が直接、面談を行っております。
このほか、7月9日には県やハローワークとともに「ふるさとお仕事博覧会」を開催し、地元29事業者が中学生470人に対し、事業内容とともに各社の魅力について説明しました。引き続き、関係機関と連携して地元定着に努めてまいります。
10 大館能代空港の利用状況等について
令和6年度の乗降客数は、7月末現在6万4,607人で、昨年度比では8,961人の増加となり、好調を維持しております。市民向けの運賃助成事業も昨年度を上回る利用件数で推移していることから、本事業に係る関係予算案を本定例会に提出しておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。
また、大館能代空港利用促進協議会では、7月30日に会員自治体の首長とともに国土交通省航空局へ3往復運航の継続について要望活動を行い、8月5日にはANA本社を訪問し、圏域人口52万人の強みを生かした利用促進活動をPRしながら、インバウンド需要の地方波及について意見を交わしました。
今後も効果的な利用促進策を講じ、3往復運航の定着と開港以来初となる年間20万人以上の乗降客数の達成に向けて、引き続き取り組んでまいります
11 イタリア・ミラノでの大館曲げわっぱ特別展示について
4月にミラノで行われた世界最大級のデザイン展「フォーリサローネ」への出展をきっかけに、ミラノにショールームを構えるTIME&STYLE社において、大館曲げわっぱの特別展示を行いました。
展示期間は7月12日から27日までで、初日のオープニングレセプションでは、来賓の在ミラノ日本国領事館の小林総領事から御挨拶いただいたほか、在イタリア商工会議所やジェトロなどからも多数御出席いただきました。期間中は500人以上の来場があり、匠の技で生み出される大館曲げわっぱの魅力を伝えることができました。
また、4月にミラノで開催した秋田犬セミナーに御協力いただいた秋田犬保存会ヨーロッパクラブのサポリート会長を訪問し、秋田犬を通じた今後の交流について意見を交換しております。
12 サマースクールin秋田大館について
8月7日から9日までの3日間、渋谷区観光協会の協力のもと、開催しました。渋谷区の小学生12人が本市を訪れ、地元農家での野菜収穫や五色湖でのカヌー、曲げわっぱ作りなどの体験、大館能代空港のバックヤードや滑走路の見学などを行いました。
児童の保護者からは、「貴重な体験により子どもの成長が見られた」との感謝や、「子どもとともに大館を訪れたい」との声をいただいており、本事業をきっかけに、大館への再訪と将来的な結びつきを期待しているところです。
13 黄金の秋田犬親子像常設展示ついて
かねてより常設展示を希望する声が多く寄せられていた黄金の秋田犬親子像について、8月8日から、秋田犬の里での常設展示を開始しました。
この像は、昨年のハチ公生誕100年の記念すべき年に合わせ製作され、ハチ公とその物語を語り継ぐ象徴として、永遠に輝き続ける純金箔が使用されております。
国内外からの誘客や交流につながる貴重な観光資源として、今後も積極的に活用してまいります。
14 夏のイベントについて
① 第2回大館うたの日について
8月11日、ニプロハチ公ドームにおいて開催し、約1,000人の来場者の熱気と一体感に包まれました。
昨年に引き続き、渋谷で「うたの日」を開催しているBEGINや、渋谷を中心に活動するアーティストにも御出演いただき、市内小中学生との共演も実現したほか、大館曲げわっぱ太鼓、大館神明社例祭の曳き山車とお囃子など、地元大館の音楽で大いに盛り上がりました。
大館連合婦人会120人による大文字踊りに合わせたBEGINの生演奏もあり、会場全体に手拍子が鳴り響くなど、市民参加型のイベントとして大いに盛り上がりました。
② ハチ公きりたんぽライド
6月23日、サイクリストをターゲットにした誘客と交流人口の拡大を目的としたスポーツツーリズムとして初開催し、県内を中心に全国から523人の参加がありました。
ニプロハチ公ドームを発着点に、文化・歴史を巡る4つのコースを設け、休憩所では、きりたんぽ鍋などの「食」を提供し、地域の魅力をアピールしました。参加者の9割以上からは「また参加したい」との声をいただいております。
③ スポーツ合宿誘致
8月14日から5日間、本市在住の世界陸上メダリストの小林快さんをはじめ、先のパリオリンピックに出場した現役選手等がコーチを務める競歩講習合宿を開催しました。
能登半島地震で被災した石川県の高校生2人を含む18人が参加し、トップアスリートからの直接指導を受け、技術の向上を図りました。
また、8月15日から30日まで、日本体育大学陸上部の14人が、長根山陸上競技場をメイン会場に強化合宿を行い、期間中、市内小中学生約40人を対象にした陸上教室も開催しました。
④ 東北総合スポーツ大会
8月23日から3日間、本市において国民スポーツ大会東北ブロック大会を兼ねたソフトテニス競技とバスケットボール競技が行われました。
ソフトテニス競技においては、高館公園テニスコートの人工芝の全面張替えと一部施設のリニューアルを行ったところであり、競技環境をより整えた上で選手団を迎え入れました。
15 台湾トップセールスについて
8月19日、20日の2日間、台湾からの誘客を目的に、佐竹知事を団長とする台湾トップセールスに参加しました。本市からは武田議長御同行のもと、副市長が参加したほか、県商工会連合会の副会長で地域連携DMO秋田犬ツーリズムの吉原会長にも御参加いただきました。
秋田県経済交流特別顧問を務める東元グループの黄会長主催の意見交換会には、台湾総統府国策顧問らも出席し、県内自治体の首長や、商工団体の代表者とともに、台湾との更なる交流推進について意見を交わしております。
また、本市独自の取組みとして、チャイニーズタイペイパラリンピック委員会の穆会長と面談し、11月に開催するボッチャ交流会「はちくんオープン」への台湾代表チーム派遣について、前向きなお言葉をいただいております。
このほか、ANA台北支店を訪問し、国の名勝として指定される鳥潟会館庭園の案内を中心に、大館能代空港を利用した北東北の観光ルートの提案も行っております。
16 秋田県北部地域の基盤整備を促進する夏期要望活動について
国の補正予算や来年度の骨格予算審議に合わせ、道路・河川に係る12の期成同盟会が合同で、整備促進と予算確保に向けた要望活動を行いました。
7月9日には、近隣自治体の首長や武田議長をはじめとした各市町議会の議長とともに国土交通省東北地方整備局を訪れ、「安定的・持続的な予算確保と公共事業予算の拡充」「日沿道の整備促進」「水防体制の強化充実」などを要望しております。
また、7月30日には、県北部地域の首長、議長のほか、商工団体代表者とともに、国土交通省と財務省へ道路整備と治水対策について要望を行いました。
引き続き、日沿道の早期全線開通や防災・減災・国土強靭化が、地域の暮らしを守り、産業振興につながることを広く発信し、関係団体とともに県北部地域の発展に結びつけてまいります。
17 常陸大宮市との教育交流について
7月29日から31日までの3日間、友好都市の常陸大宮市から、大宮小学校の5年生12人が本市を訪れ、城南小学校の児童13人と交流しました。
交流のきっかけは平成8年に遡り、当時の城南小学校の児童が、自分の住む町名の由来から、旧大宮町と400年前からのつながりがあることを発見し、同町を訪れたことを契機として平成13年から小学生同士の交流が始まりました。現在は、教育・文化交流のみならず、観光や産業などを通じて交流の促進が図られております。
交流会では、両市の縁を改めて学び直すとともに、互いの地域の魅力や学校を紹介し合ったほか、曲げわっぱ製作体験や秋田犬との触れ合いを通じて絆を深めました。
18 大館市20歳を祝う会について
8月15日、ほくしか鹿鳴ホールにおいて開催し、オンラインの参加も含め、対象者の77パーセント、434人が出席し、同級生や恩師との再会を喜ぶ姿が見られました。
式典では、出席者代表から地域への感謝と社会の一員としての決意が述べられました。会の実施に当たり、パンフレットへの応援メッセージ掲載など、市内39の企業や団体から御協力いただき、全市を挙げて祝うイベントとして開催することができました。
19 鳥潟会館庭園の国の名勝指定について
6月24日、鳥潟会館庭園が文部科学省の審議機関である文化審議会の議決を経て、国の名勝として指定するよう文部科学大臣に答申されました。
庭園は、江戸時代に花岡村の肝煎を務めた鳥潟家の旧宅で、第17代当主で、京都帝国大学医学部教授であった鳥潟隆三氏により昭和10年代に現在の形に整備されました。京都から造園師を招き、庭石に京都の鞍馬石を使うなど、京風の情緒豊かな庭園となっており、芸術上及び学術上の価値が高いと評価されたものです。
答申後の入館者は、昨年と比べ2.4倍に増加し、大きな反響がありました。今後も文化財的価値や魅力を広く発信し、保存・継承に努めてまいります。
20 災害時トリアージ訓練について
8月30日、市立総合病院において5年ぶりに実施しました。トリアージとは、多数の傷病者が発生した場合に傷病の緊急度や重症度に応じて治療の優先順位を決めることで、今回の訓練は、大規模地震が発生し、死傷者数十名と倒壊した家屋に負傷者が取り残されているという想定で行いました。医師や看護師、DMAT隊員など約90人が参加し、負傷者の状態に応じ、担当部署への搬送や、治療手順などを確認したところです。
能登半島地震をはじめ、県内では3年連続で大雨災害が発生するなど、大規模災害がいつどこで起きるかわからない状況にあることから、今後も訓練を積み重ね、非常時に対応できる体制を整えてまいります。
21 災害等を想定した関係機関との合同訓練について
市消防本部では関係機関との合同訓練を実施しており、有事の際に迅速かつ的確に対応できるよう努めております。
6月12日には北秋田市消防署管内で開催された「消防救助技術交流会」に救助隊2チームが参加し、技術の向上を図ったほか、7月5日には大館警察署と合同で、花岡総合スポーツ公園の多目的プールを活用し、ゴムボート操船訓練を含む水難救助訓練を実施しました。
また、8月6日には、小坂町の十和田湖畔において鹿角広域行政組合消防本部と水難救助合同訓練を実施したところです。
今後につきましては、盛岡地区広域消防組合と弘前地区消防事務組合の重機隊との合同訓練や、北秋田市消防本部と鹿角広域行政組合消防本部とのロープレスキュー訓練を行う予定としており、引き続き、有事への備えに万全を期してまいります。