12月定例会に当たり、提出議案の説明に先立ちまして、9月定例会以後の主な事項について、概要を御報告申し上げます。
11.秋季イベントについて
13.秋田県北部地域の基盤整備を促進する秋期要望活動について
15.第9回全国小学校キャリア教育研究協議会大館大会について
1 大館市総合防災訓練の実施について
11月17日、市役所本庁舎、桂城公園、中央公民館などを会場に実施し、当日は、消防団や陸上自衛隊、警察署をはじめ、自主防災組織、周辺町内会など46団体、約500人が参加しました。
今回の訓練では、大雨により河川が増水する中で震度6強の直下型地震が発生したことを想定し、災害対策本部の運営、ドローンによる情報収集伝達、土砂災害からの救出救助、エレベーターの閉じ込め救出のほか、避難者の健康確認、要配慮者への支援と福祉避難所への搬送、避難所開設運営など22種目の訓練を実施しました。また、防災啓発として、震度7までの揺れを体験できる地震体験車や防災対策用車両などの展示を行いました。
能登半島地震をはじめ、全国各地で自然災害が頻発する中、本県においても3年連続で大雨災害が発生していることから、あらゆる災害に迅速に対応できるよう、今後も訓練を積み重ね、防災力の向上に努めてまいります。
2 2025大阪・関西万博入場券の配布について
本市にロケットエンジンの燃焼試験場を置く三菱重工業から、大阪・関西万博の子ども用入場券1,000枚を御寄附いただきました。
これは、万博に出展する三菱グループに所属する同社が、縁のある自治体を対象に入場券の寄附を行っているもので、県内では唯一、本市が申し出を受けました。
希望があった市内小・中学校の児童生徒には配布を終えており、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を感じていただき、自ら望む生き方を考えるきっかけになればと願っています。
今後、市内高校生や未就学児への配布も検討しているところであり、実施が決まった際には、市広報やホームページなどを通じて周知してまいります。
3 物価高騰対応生活支援給付金等について
物価高騰の影響を受けやすい低所得世帯を支援する給付金について、今年度新たに低所得世帯となった1,060世帯に対して1世帯当たり10万円を、児童に対する加算として1人につき5万円、133人分を上乗せして支給しました。
また、納税義務者を対象とした定額減税に伴う調整給付金については、1万2,710人に5億45万円を支給しております。
今後も、市民が安心して暮らすことができるよう、必要な対策を講じてまいります。
4 農作物の収穫状況について
7月中旬から下旬にかけて天候の不安定な期間があったものの、農作物全体としては概ね平年並みの収穫量や品質が確保されております。
基幹作物の水稲は、県北における作況指数が全県より1ポイント高い103の「やや良」となったほか、10アール当たりの予想収穫量は、前年より40キログラム多い572キログラムとなっております。また、JAあきた北管内の1等米比率は、前年比4ポイント増の92.4パーセントとなりました。一方、生産概算金は需要の高まりにより大幅に上昇し、あきたこまち60キログラム当たり2万円と、昨年より7,900円高くなっております。
アスパラガスや枝豆は、病害や長雨の影響により、昨年と比較し出荷量がやや減少しましたが、取引単価が上がったことにより、販売額は前年を上回っております。
トンブリは生育が順調に進み、平年並みの収穫量となっておりますが、注文が多く寄せられていることから、販売額は平年を上回る見込みです。山の芋も順調に生育し、出荷量は平年並みの見込みです。
果樹については、リンゴは、前年の高温障害の影響により、花芽不良やつる割れ、着色不良による品質低下が見られます。ナシは、着果数が多く小玉傾向となったことにより、出荷量は増加しましたが、取引単価の下落により、販売額は前年を大きく下回る見込みです。
5 有害鳥獣による被害状況と対応について
クマについては、11月18日現在、出没報告が136件、捕獲数が63頭と平年をやや上回る状況となっております。昨年は10月と11月の2か月で331件の出没報告が寄せられる異常事態でありましたが、今年の10月と11月はわずか3件となっております。
7月から受付を開始した誘引樹木の伐採を支援する補助制度については、11月18日現在で81件の申請があり、市内全域で対策が進んでおります。また、9月下旬には、県による扇田地区での出没抑制と人身被害の防止に向けた緩衝帯の整備事業が完了しており、人の生活圏にクマを呼び寄せない対策が一定の効果を発揮しているものと捉えております。
イノシシについては、11月18日現在、出没報告が26件、農作物等の被害が21件で昨年の約1.4倍、捕獲数が24頭で既に昨年の年間実績の約6倍となっております。
冬季を迎え、野生動物の活動は落ち着くものと思われますが、警戒を継続し、被害の未然防止に努めてまいります。
6 森林認証面積の拡大について
森林認証は、適切に管理された森林であることを示す制度で、近年、認証材への需要が高まる中、他の産地との差別化を図るために有効な手段となっております。
市では、令和4年度に市有林2,295ヘクタールの森林認証を取得し、昨年度は小坂町や民間事業者2者を加えたグループ認証として、3,142ヘクタールへ面積を拡大してまいりました。
今年度からは新たに民間事業者1者がグループ認証に加わり、10月下旬から認証登録の維持に向けた審査を受けたところです。登録継続後の森林認証面積は大幅に拡大し、7,328ヘクタールとなります。
認証材は、特に都市部の自治体や企業等で需要の伸びが期待できることから、官民一体となった認証面積の拡大と、認証材の安定供給体制の構築に取り組んでまいります。
7 イタリア・ファエンツァ市での大館曲げわっぱ展示について
10月12日から20日までの間、イタリアのファエンツァ市庁舎内において、同国では3回目となる大館曲げわっぱの展示を実施しました。
同市では20年以上にわたり日本文化の紹介事業が行われており、現地在住の陶芸家 平井智一氏の御協力により、このたび展示の機会を得ることができたものです。
期間中は約400人の来場があり、作品を高く評価いただいたほか、産地である本市への関心が多く寄せられたことから、急遽本市を紹介するパネルを設け、PRしたところです。
来場者からニーズや価格帯などについての聞き取りも行っており、今後の販売戦略につなげてまいります。
8 大館能代空港の利用状況等について
令和6年度の乗降客数は10月末現在12万5,741人で、昨年度比で1万7,292人の増加となりました。ビジネスや観光のほか、9月と10月の3連休を中心に多くの圏域住民に御利用いただいたことが好調の要因となっております。
また、11月18日には利用者数が350万人を達成し、記念イベントを行ったところです。引き続き、北東北の空の玄関口として、広域で連携しながら効果的な利用促進策を講じていくとともに、3往復運航の定着と、開港以来初となる年間20万人以上の乗降客数の達成に向けて取り組んでまいります。
9 渋谷区・大館市交流事業について
① 渋谷・大館交流の絆事業
10月11日から13日までの3日間、渋谷区青少年対策地区委員会の御協力のもと開催しました。
渋谷区立幡代小学校と代々木山谷小学校の5年生19人が本市を訪れ、上川沿小学校の児童との稲刈り体験や、釈迦内小学校の児童とともに、本場大館きりたんぽまつりで、ひまわり油などの販売体験を一緒に行い、交流を深めました。
また、自然環境教育として、地域林政アドバイザーによる森林講座の受講や、岩神ふれあいの森で2年前の参加者が植樹した桜の下草刈りの体験なども行いました。
こうした子どもたちの交流を通じて、大館と渋谷の絆が未来に向かってより一層強まるものと考えております。
② 渋谷区・大館市第7回情報交換会
11月1日、渋谷区内で開催し、渋谷区からは、長谷部区長、丸山区議会議長、忠犬ハチ公銅像維持会の星野会長をはじめ多数の方々に、本市からは、武田議長、忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会の富樫会長をはじめとする皆様に御出席いただきました。
ハチ公の縁が紡ぐ渋谷と大館との絆は、昨年のハチ公生誕100年プロジェクトを通じてさらに強固なものとなり、観光や産業、文化、スポーツなど、様々な分野でこれまで以上に交流を深めていくことを確認してまいりました。
③ 渋谷区くみんの広場
11月2日、3日に代々木公園で行われた「第47回渋谷区くみんの広場 ふるさと渋谷フェスティバル2024」に参加し、ハチ公生誕の地・大館をPRしてまいりました。
初日は、あいにくの雨ではありましたが、ステージ上に秋田犬20頭が登場すると、多くの観客が集まり、秋田犬への関心の高さを改めて実感したところです。御協力いただきました秋田犬保存会東京都支部の皆様に、この場を借りて感謝申し上げます。
④ 忠犬ハチ公101年生誕祭
11月10日、忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会の主催により、秋田犬の里の忠犬ハチ公銅像前において開催されました。
式典には福原衆議院議員、緑川衆議院議員、渋谷区観光協会の小池理事兼事務局長にも御参列いただき、ハチ公への献花と手紙の朗読のほか、南小学校の児童による「はちくんダンス」も披露されました。
また、秋田犬の里では、生誕祭に合わせてバルーンリリースや秋田犬ランウェイなどのミニイベントを開催し、多くの市民に御参加いただきました。
10 秋田犬「想空(そら)」の看板犬デビューについて
市が飼育する秋田犬「想空」が、生後8か月を迎えた翌日の10月5日に秋田犬の里の看板犬としてデビューし、初日のセレモニーでは来館者の前で白毛の愛らしい姿を披露しました。
10月10日にはJR大館駅の観光駅長に就任し、同月12日には初めての任務として、きりたんぽまつりの臨時列車をお出迎えし、お客様を歓迎したところです。
今後、市民の皆様や多くの観光客に愛され、秋田犬の里のシンボルとして活躍することを期待しております。
11 秋季イベントについて
① 本場大館きりたんぽまつり
第52回を迎えた今回は、10月12日から14日までの3日間で、市内外から約7万3,000人のお客様にお越しいただきました。観光客の消費がもたらした経済波及効果は、約4億1,800万円と推計しております。
会場には100店舗を超える飲食や物販の出店があり、さらに、本市と交流のある茨城県常陸大宮市、宮城県塩竈市、大阪府泉佐野市、青森県鰺ヶ沢町も出店し、3日間を通して大盛況となりました。
今後も、本イベントを通じて、大館の食や観光資源をPRしてまいります。
② 第26回大館圏域産業祭
10月26日、27日の2日間、79の企業や団体が出展し、ニプロハチ公ドームを会場に開催しました。約2万人が会場を訪れ、農業や商工業など地域の産業に触れながら、その魅力を感じていただきました。
また、市の創業支援制度を活用した4事業者が出展し、創業に向けた機運醸成を図ったほか、タクミアリーナでは、子どもたちが様々な仕事を体験する「KIDSおしごとランド大館」や、県主催の「デジタル未来ふれあいフェスタ2024」が同時開催され、未来を担う子どもたちが地域の産業や最新の科学技術に触れる機会となりました。
③ ONSEN・ガストロノミーウォーキング
11月23日、「秋の神社仏閣・教会を巡るリラックス&ウォーク」をテーマに開催し、市内外から約40人の参加がありました。
今回は市内中心部にコースを設定し、地元事業者から地場産品を使った食事メニューが提供されたほか、座禅やヨガなどの体験を取り入れたところ、参加者から好評をいただいたところです。
12 「ボッチャのまち大館宣言」について
11月23日に開催したボッチャ交流会「第5回はちくんオープン」のセレモニーにおいて、日本ボッチャ協会、タイ王国やチャイニーズタイペイ、日本の代表選手、そして、はちくんオープンに参加する皆様の立ち会いのもと、ボッチャに親しみ、楽しみながら「ひとに優しい、ひとが優しいまち」を築くことを目的に「ボッチャのまち大館」を宣言しました。
これに先立ち、11月13日には日本ボッチャ協会と連携協定を締結したところであり、地域社会の課題解決や共生社会の深化を図ることについて、連携して取り組んでいくこととしております。
市では、東京パラリンピックのホストタウン登録を契機に競技の普及に努めており、これまで、タイ王国のパラアスリートとの交流や、パラスポーツを通じた障害への理解など、共生社会実現に向けた取組みを進めてまいりました。これらの取組みをさらに推進し、市民が健康で心豊かに過ごすことができるまちづくりのため、今回の連携協定締結と宣言に至ったものです。
宣言後のはちくんオープンでは、全国から集まった50チームと関係者を含む約300人が交流を深めたほか、同時開催したタイフェスティバルやサイバーボッチャの体験ブースにも多くの方に御来場いただきました。
今後も「ボッチャのまち大館」として、競技の普及はもとより、障害の有無にかかわらず誰もが暮らしやすいまちづくりに取り組んでまいります。
13 秋田県北部地域の基盤整備を促進する秋期要望活動について
国の補正予算や来年度の予算編成に合わせ、道路・河川・洋上風力に係る11の期成同盟会が合同で、整備促進と予算確保に向けた要望活動を行いました。
県北部地域の首長のほか、武田議長をはじめとする各市町議会の議長とともに、10月23日には国土交通省能代河川国道事務所を、11月1日には東北地方整備局を訪問し、「安定的・持続的な予算確保と公共事業予算の拡充」「日沿道の整備促進」「流域治水・減災対策と連携した水防体制の強化充実」などを要望してまいりました。
また、11月20日には、金田勝年前衆議院議員のお力添えにより、内閣官房、国土交通省、財務省を訪問し、福原淳嗣衆議院議員に御同行いただきながら、各首長や議長、経済団体の代表者とともに、国土強靭化の着実な推進、道路整備及び治水対策について要望を行いました。
引き続き、日沿道の早期全線開通や防災・減災・国土強靭化が、地域の暮らしを守り、産業振興につながることを広く発信し、関係団体とともに秋田県北部地域全体の発展に寄与できるよう努めてまいります。
14 大館版自動運転移動サービスの実証運行について
将来的に自動運転技術を導入することを視野に、11月16日から18日までの3日間、自動運転移動サービスの実証運行を行いました。高齢化による免許返納者が増加し、公共交通機関の需要が高まっていることや、ドライバー不足が顕在化している現状を踏まえたもので、昨年度の比内地区に続き、実施しました。
今回は、大館駅前からいとく大館ショッピングセンター、市立総合病院を経由し、大館駅前に戻る1周約5.5キロメートルの公道で、必要に応じてドライバーが手動介入する自動運転レベル2の車両を使用して実施し、期間中、一般の方や関係者を含め、約240人に体験していただいたところです。
今後は、試乗者の声や市民向けアンケートの結果を参考に、経営面や技術面、社会受容性などの課題を分析するとともに、関係機関から意見を伺いながら、実証運行を継続し、令和9年度の本格運行を目指してまいります。
15 第9回全国小学校キャリア教育研究協議会大館大会について
11月1日、2日の2日間、市内10の小・中学校や、ほくしか鹿鳴ホール、中央公民館を会場に開催されました。キャリア教育の取組みを全国に発信し、互いに学び合う大会で、本市の「ふるさとキャリア教育」の実績が評価されたことから、本市では令和3年度に続き、2回目の開催となりました。
全国22都道府県から約100人、市内関係者も含めて約200人が参加し、おおだて型授業の公開や各校のふるさとキャリア教育の実践発表、分科会でのディスカッションなどが行われ、活発な意見交換と情報共有が図られました。
全国から集まった参加者の反応も良く、14年に渡って取り組んできた大館ふるさとキャリア教育の意義を再確認する場にもなりました。これまでの積み重ねを生かし、子どもたちが夢や希望を描くことができる教育の実践に結びつけ、「未来大館市民」の育成に努めてまいります。
16 小学校創立150周年記念事業について
今年、市内10の小学校が創立150周年を迎え、各校では地域とのつながりを深める様々な記念事業が行われました。
このうち、桂城小学校では地域の名物や名所、行事を取り上げたオリジナルかるたの作製、花岡小学校と川口小学校では記念花火の打ち上げ、西館小学校では子どもたちのメッセージを書き込んだランタンで夜空を彩るなど、地域の方々とともに、各校で工夫を凝らした記念イベントが盛大に行われました。
今後も、明治から令和まで受け継がれてきた各校の伝統と歴史を大切に、大館の未来を担う子どもたちが将来の夢や希望を叶えられるよう、より一層教育の充実に取り組んでまいります。
17 消防署 新・北分署の運用開始について
消防署北分署の新庁舎が完成し、11月1日から運用を開始しました。7日には開署式を行ったほか、関係者の皆様や地域住民の皆様に新しい庁舎をお披露目いたしました。
旧庁舎と比べ、敷地面積は約5倍、延べ床面積は約2倍となり、周囲の見通しが良くなったこと、敷地が国道に面していることから、従来に比べて消防車両の出入りがスムーズに行えるようになり、より安全かつ迅速な出動も可能となりました。
また、管内分署では初となる鉄骨4階建ての訓練塔を整備したほか、庁舎内には訓練室を設置し、職員だけでなく、消防団や自主防災組織など地域の方も座学や訓練に活用できる環境を整えております。
引き続き、大館北地域の防災の拠点として活動に当たり、市民の安全・安心確保に努めてまいります。