大館市工業用水道事業

 

事業の主旨

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 大館市は工業振興による地域経済の活性化と雇用の創出を目的に、市南部に市営二井田工業団地を整備し、県営大館工業団地と併せて、企業の立地環境を整えています。
 平成30年には、県の工業団地拡張に伴い、工業用水道第3を供用開始しました。さらに、新たな配水管を布設し既存の配水系統を見直すことで、管路連結による安定的な供給が可能となりました。
 大館市の工業用水道は、極めて良質で豊富な地下水を安価に安定供給し続けることで、地域の経済をバックアップしています。

 事業の経緯

 市営二井田工業団地及び県営大館工業団地は、本市最大規模の工業団地であり、製造業の立地に必要な大量の水を確保するため、昭和63年に第1工業用水道の事業に着手し、平成3年に供給を開始しました。
 平成9年には、隣接地に整備される県営大館第二工業団地への給水を担う第2工業用水道の事業に着手し、平成14年に供給を開始しました。その際、雑用水など多様なニーズに対応するため、平成12年に給水区域を拡張して工業団地区域外へも供給できるようにしています。現在まで、老朽化したポンプ等の更新を計画的に行いながら、利用者へ安定した工業用水を供給しています。また、利用者との良好な関係を維持するため従量制料金を採用し、更に平成14年度からは逓減型従量制へ移行して使用水量の増加促進を図っています。
 その後、第1工業用水道の使用水量が増加したことから、平成20年に両工業用水道を統合し、相互融通により既存施設の有効活用と安定供給の強化を図っています。
 平成26年度には、一日最大配水量が給水能力の91.5%に達したことや、県営工業団地の拡張事業に伴い給水能力不足となる見込みとなるため、平成28年度に事業拡大に着手し、平成30年10月から供用を開始しています。

施設の概要

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 本市の工業用水道は、ボーリング調査による揚水試験及び水質検査の結果、犀川左岸の地下水に水源を求めて2,100m3/日の取水施設を建設し、φ200mmの送水管により約4km離れた高台にある第1配水池に送水しています。給水区域内にはφ250mm~φ75mmの配水管を約2.4km配置し、高低差による自然流下により配水しています。
 平成9年度には、犀川右岸に3,200m3/日の取水施設の建設に着手し、φ200mmの送水管約2.6kmにより平成14年度から第2配水池に送水しています。給水区域内にはφ200mm~φ100mmの配水管を約2.8km配置し、自然流下により配水しています。
 平成28年度には、犀川右岸に2,000m3/日の取水施設の建設に着手し、φ200mmの送水管約3.2kmにより平成30年度から第3配水池に送水しています。
 給水区域内にはφ200mm~φ150mmの配水管を約2.5km配置し、自然流下により配水しています。
 本市の工業用水は、良質な地下水であることから浄水処理せずに原水のまま供給しており、相互融通が可能となっているうえ、取水場や配水場は監視装置により安定供給の強化が図られています。

給水系統を含む給水区域図

【給水系統を含む給水区域図】

 事業の特徴

 事業の最大の特徴は、極めて良質で豊富な地下水を安価に安定供給していることです。水質は上水道の水質基準もクリアできる程良質であるため、利用者側の処理コストが低く抑えられることにより、医薬品製造業や食料品製造業の企業進出に繋がっています。
 また、料金制度には従量制を採用し、基本料金や超過料金を設定していません。さらに大口利用者の使用料金を逓減させる制度により、企業の設備投資や使用水量の増加が容易となっています。
 そのほか、配水管の分岐から量水器までの工事費を本市で負担するなど、企業に有利な条件を整えています。

供給条件

(1)料金

使用水量の区分
使用水量の区分 単価 (税抜)
10,000m3までの分  40円/m3
10,000m3を超え20,000m3までの分  30円/m3
20,000m3を超える分  20円/m3

※大館市の工業用水道は従量制を採用していますので、その月の使用水量により料金を算出します。
※料金は、上記の表で算出した金額に消費税を加算した金額となります。

(2)その他

1.給水施設   
 給水施設の新設工事は本市の負担で施工します。   

2.手数料   
 流末装置の工事設計審査手数料及び完成検査手数料は1件につき5,000円(非課税)です。 

3.水圧 
 配水管の末端における水圧は、1cm2 当たり0.5㎏以上です。
    
4.その他   
 その他の事項については「大館市工業用水道料金及び手数料条例」の定めるところによります。 

水質検査結果

 

水質検査結果
項  目 基準値 第1配水池 第2配水池 第3配水池

工業用水道

標準項目

水温 11.5℃ 10.0℃ 7.0℃
濁度 20度以下 0.1度未満   0.1度未満 0.1度未満
水素イオン濃度(pH) 6.5~8.0 7.2 7.3 7.3
アルカリ度 75 mg/L以下 26 mg/L 21 mg/L 21 mg/L
硬度 120 mg/L以下 42 mg/L 37 mg/L 37 mg/L
蒸発残留物 250 mg/L以下 98 mg/L 90 mg/L 87 mg/L
塩素イオン 80 mg/L以下 12 mg/L 11 mg/L 11 mg/L
鉄イオン 0.3 mg/L以下 0.03 mg/L未満 0.03 mg/L未満 0.03 mg/L以下

採水日:令和2年2月7日

工業用水道利用状況 

工業用水道利用状況
業種 年間給水量
一般機械器具製造業 3,254 m3
精密機械器具製造業 933,997 m3
プラスチック製品製造業 34,472 m3
食料品製造業 163,697 m3
窯業・土石製品製造業 2,447 m3
銑鉄鋳物製造業 873 m3
金属製品製造業 178 m3
鉱物・金属材料等卸売業 719 m3
医薬品製造業 566,363 m3
道路貨物運送業 18,401 m3
温泉保養施設 7,538 m3
鉄鋼業 419 m3
パルプ・紙・紙加工品製造業 187 m3
冷蔵倉庫業 58 m3
合計 1,732,603 m3

平成31年3月末現在

関連リンク