正式名称 | 市指定天然記念物 出川の欅 |
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所在地 | 秋田県大館市出川上沢岱 |
出川の村の言い伝えによると、この欅は平安時代に植えられたもので、兄弟木が大館市内に2本現存するといわれています。
この欅は、村の入口に高くそびえ立ち、はるか彼方からも望むことができる出川の象徴であると同時に、村を守護する霊力を備え持つ霊木であると信じられ、村民の尊崇の対象となっています。
大正の初期ごろ、土地の所有者の佐藤東吉が神として祀り、若木山大権現の尊号を奉り、毎年4月8日には村人と共に祭礼を行っています。
さらに、この欅の根元部分の周囲に発育している多数の瘤は「おっぱいの神様」として信じられていて、乳のでない産婦が、白布で作った細長い小袋に白米を入れたものをこの瘤に供えてお祈りをし、それを持ち帰って炊いて食べると乳が出るようになると伝えられています。
一本の根から5本に分散し、一番太い幹は直径2.5m、一番の樹高は23m、樹冠は東西南北約27m、根株は東西約5m、南北約8mの巨木です。
5本の幹の中で一番太いものは、昭和30年代、幹の中間部にスズメバチが巣を作ったので、その駆除のため火をつけたことから樹勢が弱まり、昭和40年代半ば頃、根元から高さ13mほどの所で折損してしまいました。その後も腐蝕が進行し、このままでは近い将来枯れてしまうことや、他の幹にも影響が及ぶ恐れがあったため、腐蝕部分に合成樹脂を吹きつけ、さらに平成6年には覆い屋根をかけて保護し、現在に至っています。
見学案内
見学については自由です。