正式名称 | 国登録有形文化財 桜櫓館 |
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所在地 | 秋田県大館市字中城13-3 |
登録年月日 | 平成11年7月8日 |
設計 | 小野熊蔵・石田常吉 |
棟梁 | 越後甚吉 |
施行期間 | 約2年(棟上 昭和8年1月3日) |
構造 | 木造2階建(展望台付)延床面積310.26平方メートル |
所有者 | 大館市 |
桜櫓館は大館市、市制施行前の最後の町長を務めた桜場文蔵氏の私邸でした。
建築の特徴としては、2階の屋根に突き出るように四方にガラス窓を配した展望台を作った事にあります。
桜場氏が町長選に出馬したときは、まだ工事の最中でした。その後町長に初当選した桜場氏は『この展望台から一人眼下の町を一望しながら町政に思いを巡らせた』といわれています。
建物は京間(一間6.3尺=約1.910m)の造りで、普通の部屋より一回り広く造られています。
この建物の見どころは前述の展望台の他に、ケヤキの大梁と長尺・幅広の床板、秋田杉の長押も、継ぎ足す事なくすべて長尺を使用している点や、各部屋の付書院・部屋の障子や階段の手すりにも繊細で高度な技術が施されている点、武家屋敷に見られる格式の高い「起リ破風(ムクリハフ)」のついた玄関なども一見に値します。
桜櫓館は、大館旧市街地が度重なる大火に見舞われながらも奇跡的に残る、市街地では数少ない昭和初期の本格木造建築として貴重な存在です。
昭和55年(1980)、大館郵便局の局舎新築に際して、建物を曳き屋して現在地に移転しました。
愛称「桜櫓館」について
旧大館城の跡地である桂城公園は桜の名所である事から、また桜場邸から文字を取った「桜」。そして二階の屋根に突き抜けるように設けられた展望台の「櫓」。この二つを組み合わせて命名されました。
また、「館」は大館市の館にも通ずるものがあり、この桜櫓館が大館のシンボルとして末長く市民に愛されるようにとの願いが込められています。
登録有形文化財 登録基準について
築後50年を経過している建築物(工作物を含む)を活用しながら保存する目的で平成8年に創設されました。(平成8年文部省告示第152号)
- 国土の歴史的景観に寄与しているもの。
- 再現することが容易でないもの。
- 造形の規範となっているもの。
上記の3項目のいずれかにあてはまっている建造物が登録文化財の資格を有します。
では桜櫓館にあてはめてみましょう。桜櫓館の建築は昭和8(1933)年。棟札より判明。
- 国土の歴史的景観に寄与しているもの
特別な愛称などで親しまれている場合。
旧大館城(桂城)二の丸跡地に建つ展望台を備えた「桜櫓館」。
- 再現することが容易でないもの
優れた技術が用いられている場合。
平面は京間(寸法)を基準とし、優れた建具・欄間彫刻を有する書院(1・2階)
現在では入手し難い建築材料(木材の長尺物)の豊富な使用。
珍しい形やデザインで他に同じような例がない場合。
袴腰とした屋上展望台
屋根(1階:正面入母屋造り。背面切妻造り。玄関、起り破風付。/2階:寄棟造/展望台:方形造、複雑な変化に富んだ外観。)
- 造形の規範になっているもの
桜櫓館は該当しません。
見学案内
休館日 | 毎週月曜日 (月曜日が祝・休日の場合は開館し、翌日休館) |
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特別休館日 | 年末年始(12月29日~1月3日) |
公開時間 | 10:00~16:00 |
入館料 | 無料 |
交通 | 市役所より徒歩3分(大館郵便局となり) |
お問い合わせ |
0186-43-7135(大館市まちづくり課 歴史まちづくり係) |