予防接種を受けに行く前に

一般的注意事項

 予防接種は体調の良い時に受けるのが原則です。日頃から保護者の皆さんはお子さんの健康状態によく気を配ってください。そして何か気にかかることがあれば、あらかじめかかりつけの医師や健康課にご相談ください。
 安全に予防接種を受けられるよう、保護者の皆さんは、以下のことに注意のうえ、当日に予防接種を受けるかどうか判断してください。

(1)当日は朝から子どもの健康状態をよく観察し、普段と変わったこところがないことを確認してください。
  予防接種を受ける予定であっても、体調が悪いと思ったら、医師に相談のうえ、接種するかどうか判断しましょう。

(2)受ける予定の予防接種について、予防接種と子どもの健康・お知らせをよく読んで、必要性や副反応についてよく理解
  しましょう。わからないことは医療機関で接種を受ける前に質問しましょう。

(3)母子健康手帳は必ず持って出掛けましょう。

(4)予診票は予防接種を実施する医師への大切な情報です。責任を持って記入しましょう。

(5)予防接種を受ける子どもの日頃の健康状態をよく知っている保護者のかたが連れて行きましょう。
  なお、予防接種の効果や副反応などについて理解したうえで、接種に同意したときに限り、接種が行われます。

予防接種委任状について

 予防接種を受けるときは、保護者(父母)の同伴が原則ですが、やむを得ず保護者以外(祖父母など)が同伴する場合、委任状の提出が必要です。
 保護者以外のかたが同伴する場合は、事前に保護者が記入した委任状を持参し、接種当日医療機関へ渡してください。委任状がない場合は、接種できません。

【予防接種委任状の様式】はこちら
(委任状は健康課、および、実施医療機関にも設置しています。)

予防接種を受けることができないかた

(1)接種日に明らかに発熱しているかた(37.5℃以上)

(2)重篤な急性疾患にかかっていることが明らかなかた

急性の病気で薬を飲む必要があるかたは、その後の病気の変化もわかりませんので、その日は接種を受けないのが原則です。

(3)その日に受ける予防接種の接種液に含まれる成分で、アナフィラキシーを起こしたことが明らかなかた

「アナフィラキシー」というのは通常接種後約30分以内に起こるひどいアレルギー反応のことです。汗がたくさん出る、顔が急に腫れる、全身にひどいじんましんが出るほか、吐き気、嘔吐、声が出にくい、息が苦しいなどの症状に続きショック状態になるような激しい全身反応のことです。

(4)BCG接種の場合は、予防接種や外傷等の後にケロイド(皮膚が赤く盛り上がった状態)が認められるかた

(5)BCG接種の場合は、結核の既往のあるかた

(6)ロタウイルスワクチン接種の場合は、次に該当するかた

  ア.腸重積症の既往のあるかた

  イ.治療を完了していない先天性消化管障害があるかた

  ウ.重症複合免疫不全症の所見が認められるかた

(7)妊娠中のかた

(8)その他、医師が不適当な状態と判断した場合

上記の(1)~(8)に当てはまらなくても医師が接種が不適当と判断したときはできません。

予防接種を受ける判断に注意を要するかた

 以下に該当すると思われるかたは、主治医がいる場合には必ず前もって相談し、予防接種をうけるかどうか判断してもらいましょう。受ける場合にはその医療機関で行うか、診断書または意見書をもらってから予防接種に行きましょう。

(1)心臓病、腎臓病、肝臓病、血液の病気や発育障害などで治療を受けているかた

(2)過去の予防接種で、2日以内に発熱が見られたかた及び発疹、じんましんなどアレルギーと思われる異常が見られたかた

(3)過去にけいれん(ひきつけ)の起こしたことがあるかた

 けいれん(ひきつけ)の起こった年齢、そのとき熱があったか、熱がなかったか、その後起こっているか、受けるワクチンの種類は何かで条件が異なります。必ずかかりつけの医師と事前に良く相談しましょう。
 原因がはっきりしている場合は、一定期間が経てば予防接種を受けることができます。

(4)過去に免疫不全の診断がされているかた及び近親者に先天性免疫不全症のかたがいるかた

(5)ワクチンにはその製造過程における培養に使う卵の成分、抗生物質、安定剤などが入っているものがありますので、これらにアレルギーがあると診断されたことがあるかた

(6)BCG接種の場合は、家族に結核患者がいて長期に接触があった場合など、過去に結核に感染している疑いのあるかた

(7) ロタウイルスワクチン接種の場合は、活動性胃腸疾患や下痢等の胃腸障害のあるかた

予防接種を受けた後の一般的注意事項

(1)予防接種を受けたあと30分間は、医療機関でお子さんの様子を観察するか、医師とすぐに連絡を取れるようにしましょう。急な副反応はこの間に起こることがまれにあります。

(2)接種後、生ワクチンは4週間、不活化ワクチンでは1週間は副反応の出現に注意しましょう。

(3)接種部位は清潔に保ちましょう。入浴に支障はありませんが、わざと接種部位をこすることはやめましょう。

(4)接種当日は、激しい運動は避けましょう。

(5)接種後、接種部位の異常な反応や体調の変化があった場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。

副反応が起こった場合の対応

通常みられる反応

 ワクチンの種類で異なりますが、発熱、接種局所の発赤・腫脹(はれ)、硬結(しこり)、発疹などが比較的高い頻度(数%から数10%)で認められます。通常、数日以内に自然に治るので心配の必要はありません。

重い副反応

 予防接種を受けた後、接種局所のひどい腫れ、高熱、ひきつけなどの症状が出現したら、医師の診察を受けてください。お子さんの症状が予防接種後副反応報告基準に該当する場合は、医師から市長へ副反応の報告が行われます。
 ワクチンの種類によっては、極めてまれ(100万から数100万人に1人程度)に脳炎や神経障害などの重い副反応が起こることもあります。このような場合に厚生労働大臣が予防接種法に基づく定期の予防接種によるものと認定したときは、予防接種法に基づく健康被害救済の給付の対象となります。

紛れ込み反応

 予防接種を受けたしばらく経過後に、何らかの症状が出現すれば、予防接種が原因ではないかと疑われることがあります。しかし、偶然同じ時期に発症した他の感染症などが原因であることもあります。
 これを「紛れ込み反応」と言います。

予防接種による健康被害救済制度

  •  定期の予防接種で引き起こされた副反応により、医療機関での治療が必要となったり、生活に支障がでるような障害を残すなどの健康被害が生じた場合は、予防接種法に基づく給付を受けることができます。
  •  健康被害の程度等に応じて、医療費、医療手当、障害児養育年金、障害年金、死亡一時金、葬祭料の区分があり、法律で定められた金額が支給されます。
     死亡一時金、葬祭料以外は、治療が終了するまたは障害が治癒する期間まで支給されます。
  • ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものか、別の要因(予防接種をする前あるいは後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因等)によるものなのかなどの因果関係を、予防接種・感染症医療・法律等、各分野の専門家からなる国の審査会にて審議し、予防接種が要因と認定された場合に給付が受けられます。
  • 予防接種法に基づく定期の予防接種として定められた期間を外れて接種を希望する場合、予防接種法に基づかない接種(任意接種)として取り扱われます。その接種で健康被害を受けた場合は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済を受けることになりますが、予防接種法とは救済の対象、額等が異なります。
  • 給付申請の必要が生じた場合には、診察した医師、健康課へご相談ください。