「大館のとんぶり製造技術」が国の登録無形民俗文化財に登録されました

「大館のとんぶり製造技術」が国の登録無形民俗文化財に登録されました

 令和7年3月28日付け告示(官報第1433号)により、大館のとんぶり製造技術が国登録無形民俗文化財に登録されました。

大館のとんぶり製造技術

 よみかた…おおだてのとんぶりせいぞうぎじゅつ
 文化財の所在地…秋田県大館市
 保護団体…特定せず

 【登録の趣旨】
 我が国では、山野に自生する植物やその実を利用し、食用に加工したり、調整したりする技術が伝承されてきた。本件は、ホウキギの実を原料とし、とんぶりと呼ばれる独自の食感を持つ郷土食を製造する技術で、その食感を得るために伝承されてきた手作業による選別や適度な水温調整の工程には、長年の経験と技術が必要とされる。地域的特色が顕著な郷土食の製造技術の伝承例であり、我が国における種実類(しゅじつるい)の調理・調整の技術を考える上で注目される。

 【文化財の説明】
 本件は、秋田県大館市に伝承される、ホウキギの実を原料として、「とんぶり」と呼ばれる当地特有の郷土食を製造する技術である。市内でも比内地区が主な伝承地で、近年は商品化が進み、工場での生産も行われている。呼称については、濃緑色の小さい粒状の形が、ぶりこ(ハタハタの卵)に似ていることに由来するとされる。
 とんぶりの製造は、毎年秋にホウキギの実を収穫し、十分に乾燥させてから、煮込み、皮むき、洗い、選別、水切りの工程の順に行い、入念に異物を取り除き、濃緑色の実だけを残して完成となる。とんぶりは、ぷつぷつとした食感が特徴であり、料理に添えたり、他の食材と和えたりして日常的に食される。

 そのほか、とんぶりについて詳しくはこちらをご覧ください。