長走風穴の倉庫が日本の「林業遺産」に登録されました

 長走風穴の倉庫群のうち2号倉庫と3号倉庫が、5月20日、一般社団法人 日本森林学会が認定する林業遺産に登録されました。
 これら2棟の倉庫は、秋田大林区署白沢小林区署(現東北森林管理局東部米代森林管理署)が建造したもので、大正から昭和時代初期の種子貯蔵の中核として近代における東北地方の造林事業を支えた施設です。貯蔵庫部分は完全な形で現存していて、その歴史を今に伝えています。

長走風穴 倉庫群

林業遺産の名称 

長走風穴種子貯蔵庫遺構
(長走字長走362-3、天然記念物長走風穴高山植物群落周辺)

認定対象

長走風穴種子貯蔵庫遺構、古写真

分類・形式

建造物、資料群

倉庫利用開始 

1912年(明治45年)

認定・登録日

2022年(令和4年)5月20日

所有者

大館市(管理者 大館市教育委員会)

現在の2号倉庫の様子

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図1 2号倉庫外観(2022.5.12)

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図2 2号倉庫内部(2022.5.12)

現在の3号倉庫の様子

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図3 3号倉庫外観(2022.5.12)

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図4 3号倉庫内部(2022.5.12)

古写真

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図5 種子が貯蔵されていたころの様子(1934年)

市長コメント

 風穴の自然の冷気を利用して造林用種子を貯蔵し、林業を振興してきた先人の知恵と活動は、まさに現在のSDGsの先駆けとも言えるものであり、こうした営みを支えた遺構が評価され、今回の林業遺産に認定・登録されたことは、大変喜ばしく、地域の宝として後世に伝えていきます。

大館市長 福原 淳嗣 

教育長コメント

 今なお秋田杉の美林が残る矢立峠のほど近くにあり、明治から昭和初期にかけて「スギの種子」保管のために活用されていた風穴倉庫の遺構が、この度、日本の「林業遺産」として認定されたことで、国指定の天然記念物である長走風穴高山植物群落にさらなる付加価値が加わり、大館市として誇らしい思いです。
 これを契機に、自然の力を活用し、森を守り、林業を振興した先人の知恵と努力を広く市民に伝えるとともに、子どもたちに向けた「大館ふるさと学習教材」として学ばせたいものと考えています。

大館市教育長 高橋 善之