ザリガニ生息分布調査の結果概要(2012)

※このページは、平成24(2012)年に作成したものです。

ニホンザリガニ

ニホンザリガニは、北日本に生息する在来種のザリガニですが、各地で生息個体数の減少が著しく、環境省第4次レッドリスト(2012)で絶滅危惧Ⅱ類(VU)に選定されています。ニホンザリガニは大館市にも生息しており、市内の生息地は日本における生息の南限に当たるため、その一部区域が昭和9(1934)年に「ザリガニ生息地」として国の天然記念物に指定されています。
大館郷土博物館では、大館市の生息状況を把握するため、市民の皆さんからの目撃情報などを元に平成24(2012)年に生息分布調査を実施しました。
その結果、市内3カ所でニホンザリガニの生体を確認しました。大館10の地点(地名は非公開)では、9年前と同じ16区画を調査した結果、231匹の生体を確認でき、9年前より確認個体数が4割弱増加しました。
なお、指定地内では生体を確認することはできませんでしたが、指定地周辺では有力な目撃情報があるため、引き続き調査を継続し、生息状況と環境を監視していきます。
ザリガニ生息地の保護のためには、人間が採集しないようにするほか、生息地周辺の環境を良好に維持していくことが重要になります。皆さんのご理解とご協力をお願いします。

二ホンザリガニ [513KB]

画像)大館に生息するニホンザリガニ 2012.8.24撮影

アメリカザリガニ

アメリカザリガニは、環境省の要注意外来生物に選定されている外来種です。昭和2(1927)年に神奈川県鎌倉市大船にウシガエルの餌としてアメリカ合衆国から移入されたのが始まりであり、その後、全国に分布域が広がっていきました。
今回の調査では、大館地域7カ所、田代地域1カ所の合計8カ所でアメリカザリガニの生体を確認しました。山沿いでの目撃情報はなく、標高100m未満の人里でのみ生息していました。
何年にもわたり継続的に目撃されている例が多いため、外来種のアメリカザリガニが当地域にも定着しているものと考えられます。
アメリカザリガニは、本来当地方には生息していない種です。飼育が困難になったからといって自然界に放流することはしないでください。増殖して地域の生態系を乱したり、農作物に被害をもたらすことがあります。

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画像)大館に生息するアメリカザリガニ 2012.8.3撮影

目撃情報をお寄せください

ニホンザリガニを目撃したことのあるかたは、ぜひ情報をお寄せください。詳しくはこちらをご覧ください。

連絡先:大館郷土博物館(〒017-0012秋田県大館市釈迦内字獅子ヶ森1番地)
電話:0186-43-7133   FAX 0186-48-2512
メール: kyodokn@city.odate.lg.jp※月曜休館

2012年ニホンザリガニ及びアメリカザリガニ生息分布調査報告書

生息地保護の観点から、標記報告書の一部のみを公開します。また、ダウンロードできる文書については、同じ理由により、生息地の住所が特定されないように、原文を一部修正しています。

表紙-10ページ[PDF: 8.3MB]

まえがき
1 はじめに
2 調査対象地の選定と調査方法
3.1 ニホンザリガニの分布調査結果(一部のみ)

19-34ページ[PDF: 1.3MB]

3.2 大館10に生息するニホンザリガニの詳細
3.3 市内に生息しているニホンザリガニの尾節後端の形態の違い
3.4 アメリカザリガニの分布調査結果
4 ニホンザリガニ保全の方向性
5 まとめ

73-85ページ[PDF: 1.6MB]

資料 現地調査写真