大館の自然

大館市内には、かつては「幻の動物」といわれた特別天然記念物“カモシカ”〔昭和30 年(1955) 指定〕を始め、国・県・市の指定を受けた多くの天然記念物の動植物が現存しています。
当博物館では、学術的にも貴重な存在とされている生物や区域を剥製・写真・パネル・ビデオなどで展示紹介しています。
(長走風穴高山植物群落・芝谷地湿原植物群落・秋田犬・ザリガニ南限生息地・声良鶏・比内鶏・金八鶏・出川の欅など)

大館市の天然記念物

国指定
名称 指定年月日 所在地
長走風穴高山植物群落 第一次指定 大正15年2月24日 大館市長走
第二次指定 昭和6年10月23日
芝谷地湿原植物群落 昭和11年9月3日 大館市釈迦内
秋田犬 昭和6年7月31日 秋田県県北地方
ザリガニ生息地 昭和9年1月22日 大館市
声良鶏 昭和12年12月21日 秋田県県北地方
比内鶏 昭和17年7月21日 大館市周辺
県指定
名称 指定年月日 所在地
金八鶏 昭和34年1月7日 大館市周辺
市指定
名称 指定年月日 所在地
出川の欅 昭和53年3月13日 大館市出川
御神木の欅、イチイ 平成7年3月17日 大館市岩瀬

展示品の紹介

品名:大館産チョウ(A)

製作年:1996 (平成8) 年3月
採集地:大館郷土博物館周辺

大館産チョウ(A)

品名:大館産チョウ(B)

製作年:1996 (平成8) 年3月
採集地:大館郷土博物館周辺

大館産チョウ(B)

品名:大館産トンボ・セミ・他

製作年:1996 (平成8) 年3月
採集地:大館郷土博物館周辺

大館産トンボ・セミ・他

品名:ヌマガレイ

製作年:大正5年6月
体長:約4cm
採集地:長木川長木橋(現大館橋)東端下

大正5年6月、小学生であった神林正樹さん(故人、医師)が学校の帰り、長木橋(現大館橋)東端の深みでこのヌマガレイを発見し、捕獲。
父親の正路さんが、乾燥標本にして経緯(写真右側)を記して保存していた。
ヌマガレイは海水と淡水が混じりあう汽水域の砂泥地を好み、幼魚は川を上って淡水域で成長する。
当時、米代河口から60kmも遡上していたことが判明した。

ヌマガレイ

品名:カモシカ(剥製)

特別天然記念物ニホンカモシカ
性別:オス
年齢:推定12歳
体長:鼻先から尻まで1.1m
体高:爪先から背まで0.7m

カモシカ(剥製)

品名:声良鶏 雄・雌(剥製)

土佐の東天紅、越後の唐丸とともに日本三大長鳴鶏の一鶏で、かつて日本海交易で入ってきた唐丸を地鶏の比内鶏と交配して作り出した。鳴き声は太く、長く、荘厳にして優雅で、三大長鳴鶏の中で最も優れている。
1937 (昭和12) 年12月21日に国の天然記念物に指定された。

声良鶏 雄・雌(剥製)

品名:比内鶏 雄・雌(剥製)

比内鶏は日本地鶏の代表として1942 (昭和17) 年7月21日に国の天然記念物指定を受けた。
鋭い栗茶色の眼光、三枚冠と赤色の耳朶、赤褐色の羽色で豊富な蓑毛と尾羽をもつ美しい体形で、性格はすこぶる勇壮活発。
比内鶏の最大の特色はその肉味がとくに優れていることである。

比内鶏 雄・雌(剥製)

品名:金八鶏 雄・雌(剥製)

天保年中(1830~1843)に大館川原町の魚屋金八が、闘鶏を作り出す目的でシャモと比内鶏を交配して出来た「突然変異種」。
その後も選択交配を重ね、1902(明治35)年頃に現在の体型が、固定したようである。
1959(昭和34)年に秋田県が動物部門ではじめて天然記念物に指定した。

金八鶏 雄・雌(剥製)

品名:ニホンザリガニ(アルコール漬標本)

採取日:1979(昭和54)年12月20日

日本固有種である二ホンザリガニは、大館市を南限として、北海道と青森県に生息する。
1934 (昭和9) 年1月22日「二ホンザリガニ南限生息地」として、大館市は国の天然記念物指定を受けた。

ニホンザリガニ(アルコール漬標本)

品名:チョウの表と裏

製作年:1996 (平成8) 年3月
採集地:大館郷土博物館周辺

チョウの表と裏